このゲームではテキサスホールデムはプレイできるゲームの一つに過ぎませんが、基本的なルールを理解する上で最も重要な基準となるゲームであるため、ここで簡単に説明します。すでにルールを知っている方は読み飛ばして構いません。
1. 基本ルール
テキサスホールデムの基本ルールを簡単にまとめると次のとおりです。
- 使用するカードは、AからKまでの13種類のランク(Rank)と、スペード・ハート・ダイヤ・クラブの4つのスート(Suit)を組み合わせた合計52枚です。
- ゲーム開始時に各プレイヤーへ2枚の手札(Hole Cards)が配られます。プレイヤーは自分の手札だけを見ることができます。
- テーブル上には順に公開される5枚の共通カード(Community Cards)があり、手札2枚と合わせた計7枚の中から、最も強い5枚の組み合わせで役を作ります。 [Figure 2-1]
- 最も強い役を持つプレイヤーが勝者となり、他のプレイヤーが賭けたチップの合計(ポット)を獲得します。
- プレイヤーは自分の手札や共通カードを見ながら、ベットを増やしたり、ゲームから降りることを選択します。
- 強い役を持っていると判断した場合は多くのチップを投入し、弱いと判断した場合は少なくしたりフォールドして、最終的により多くのチップを獲得することを目指します。

2. ディーラーボタンとブラインド
テキサスホールデムでは、アクションの順番を決める基準としてディーラーボタン(BTN)と呼ばれる目印を用います。ディーラーボタンは1ハンドごとに時計回りで移動します。
ディーラーボタンの左隣はスモールブラインド(SB)、その左隣はビッグブラインド(BB)と呼ばれます。これら2人は強制的にチップを支払う必要があり、SBはブラインド額の半分、BBは1倍のチップを支払います。例えば、SBが50、BBが100の場合は「50/100」と表記します。

ベッティング順序は次の通りです。
- 1回目(Pre-flop):UTG(BBの左隣)から時計回りに行動し、最後がBBです。
- 2回目以降(Flop、Turn、River):SBから時計回りに行動し、最後がBTNです。
3. ゲームの進行手順
1ゲームは4つのベッティングラウンドで構成されます。各ラウンドで公開される共通カードの枚数が異なります。
- プリフロップ (Pre-flop):手札のみでベッティングを行います。
- フロップ (Flop):共通カードを3枚公開し、ベッティングを行います。
- ターン (Turn):さらに1枚の共通カードを公開し、ベッティングを行います。
- リバー (River):最後の1枚を公開し、最終のベッティングを行います。
全員がフォールドして1人だけが残った場合、その時点でゲームが終了し、残ったプレイヤーが勝者となります。

River終了時に複数のプレイヤーが残っている場合、カードを公開して勝敗を決めます。これをショーダウン(Showdown)といいます。勝者はポットのチップをすべて獲得します。同じ役の場合はチップを均等に分配します。
4. プレイヤーが選べる行動
各ラウンドでは、プレイヤーは以下のアクションから選択します。すでに誰かがチップを出している状況におけるアクションをCommitted Actionということにします。
- コール (Call):現在の最高ベット額に合わせてチップを追加し、プレイを続けます。
- フォールド (Fold):降りてプレイを終了します。すでに投入したチップは戻りません。
- レイズ (Raise):ベット額を引き上げ、他のプレイヤーに対してアクションを促します。
Raiseが行われた場合、そのプレイヤーを起点に各プレイヤーが行動を決定し、Raiseを行ったプレイヤーの右隣のプレイヤーまでRaiseを行わなかった場合にラウンドが終了します。Foldしなかったすべてのプレイヤーの賭金が等しくなった時点で、ベッティング・ラウンドは終了して次のラウンドに移行します。

Flop以降では、ラウンド開始時に賭け金がないため次のアクションの中から選びます。誰もチップを出していない状況におけるアクションをNon-Committed Actionということにします。
- チェック (Check):誰もベットしていない場合、チップを出さずに次のプレイヤーに順番を回します。
- ベット (Bet):新たにベットを行い、他のプレイヤーにFold・Call・Raiseのいずれかを迫ります。

RaiseとBetは一般的に任意の数量を指定できます(実際は、前のプレイヤーのチップの増加額より大きい量を指定する必要があります)が、このゲームでは以下のような方法でそれぞれ投入するチップの量を決定します。
- レイズ:現在のベット額に対して2倍、3倍といった倍率で指定します。
- ベット:ポットの一定割合(例:33%、50%、100%など)で指定します。
チップが足りない場合や、残りの全額を賭けたい場合はオールイン (All-in) が選べます。オールインしたプレイヤーは以降のベッティングに参加できませんが、勝利した場合は投入したチップ額に応じてチップを獲得します。
5. ポーカーの役
役は強い順に以下の通りです。
- ストレートフラッシュ (Straight Flush):同じスートで連続したランクの5枚
- フォーカード (Four of a Kind):同じランクのカード4枚
- フルハウス (Full House):同じランク3枚+別の同ランク2枚
- フラッシュ (Flush):同じスートのカード5枚(連続していても可)
- ストレート (Straight):スートは異なっても連続したランクの5枚
- スリーカード (Three of a Kind):同じランク3枚
- ツーペア (Two Pair):同じランク2枚+別の同ランク2枚
- ワンペア (One Pair):同じランク2枚
- ハイカード (High Card):どの役もできない場合
ランクは 2 < 3 < 4 < 5 < … < J < Q < K < A の順です。スートの強弱は通常存在しません。ストレート(ストレートフラッシュも同様です)は
A2345 < 23456 < 34567 < ・・・ < 9TJQK < TJQKA
の順です。標準的なルールではKA234, QKA23, JQKA2はストレートとして認められません。
同じ役の場合は、役に含まれるカードのランクを比較し、それでも決まらない場合は残りのカードのランクを順に比較します。それでも同じ場合は引き分け(チョップ)となり、ポットを均等に分配します。それぞれ役の強弱判定は以下の通りです。
- ストレートフラッシュ:ストレートのランク
- フォーカード:4枚のカードのランク > 1枚のカードのランク
- フルハウス : 3枚のカードのランク > 2枚のカードのランク
- フラッシュ :強い順にランクを比較
- ストレート :ストレートのランク
- スリーカード:3枚のカードのランク > 強い順に1枚のカードのランク
- ツーペア :強い順に2枚のカードのランク > 1枚のカードのランク
- ワンペア:2枚のカードのランク > 強い順に1枚のカードのランク
- ハイカード:強い順にランクを比較
6. チップの配分
勝者が1人の場合、そのプレイヤーがポットの全チップを獲得します。複数人で引き分けの場合、ポットを均等に分配し、端数がある場合はディーラーの左側のプレイヤーから順に配分します。
All-inが発生した場合は、賭け金の差に応じてサイドポットを作り、以下の手順で配分します。
- 各プレイヤーが投入した額をもとにサイドポットを作成します。例として、プレイヤー1が50 (All-in)、プレイヤー2が100 (All-in)、プレイヤー3,4が200のチップを投入している場合、
- サイドポット1: 50 × 4 = 200 (プレイヤー1,2,3,4で勝者を判定)
- サイドポット2: 50 × 3 = 150 (プレイヤー2,3,4で勝者を判定)
- サイドポット3: 100 × 2 = 200 (プレイヤー3,4で勝者を判定)となります。
- 最も少ない額を賭けたプレイヤーを含むポットから勝者を決定し、そのプレイヤーがその範囲のチップを獲得します。
- 残りのポットについても、同様に勝者を決定して順に配分します。
ルールは複雑に見えますが、このゲームではすべて自動計算されるので、こういったルールになっているということを知っておくだけで十分です。ゲームが終了したら、ディーラーボタンを1つ左に移動し、次のハンドに進みます。以上がテキサスホールデムの大枠のルールです。